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171話

蘇陽は燕子門から帰り、謝銀凝は蔵辺から戻ってきた。

やはり環境というものは人を変えるものだ。蘇陽は蔵辺にいた時に顔を真っ赤にしていたが、謝銀凝も戻ってきて同じく赤い顔をしている。どうやら数日は元に戻らないだろう。

蘇陽は彼女を見たが、謝銀凝は気にする様子もなく、挨拶すらする気がなかった。蔵辺旅行の後、彼女は蘇陽に対してより冷淡になっていた。

「あっちはどうだった?」蘇陽が尋ねた。

「まあまあね。村人たちは菩薩様である貴方の碑を建てようとさえしていたわ」謝銀凝は口を尖らせて言った。

彼女は蘇陽に構わず、そのままバスルームへと向かった。蔵辺で過ごしたこの数日...