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146話

村長は一行を数軒の家の前へ案内した。村の家はほとんどが粗末な造りで、数少ないレンガ造りの家も何人かに割り当てられていた。

その場で運ばれてきたベッドにその場で敷かれた布団。蘇陽たち漢方医は全員この小さな部屋に詰め込まれていたが、誰も粗末さを感じてはいなかった。村長が最良の環境を提供してくれたことを理解していたからだ。

医療救援隊の到着に、村人たちは大喜びで、彼らの周りを取り囲んでは聞き取りづらい言葉で話しかけてきた。

「わしらの村は若い者はみんな県の町に出てしまって、出稼ぎに行く者は行くし、学校に行く者は行くし。残ってるのはわしらみたいな年寄りの男女ばかりでな。ほとんどが方言しか話せんし...