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989話

自分の一声で大巫師を呼び寄せてしまったことに、巻き毛の男は思わず大喜びした。

まるで救命のわらをつかんだかのように、彼は急いで大巫師の前まで駆け寄ると、ドサッと膝をついて土下座し、大声で泣き叫び始めた。「冕下、どうか私に公正な裁きを!この賤民どもは無法無天、甥を謀殺しただけでなく、今度は大っぴらに暴力を振るい、私を口封じしようとしています。何年経ったことか、何年経ったことか、この私が巫塔の審判長でありながら、こんな屈辱を受けるとは!」

この男、涙も鼻水もダラダラ流して、まるで被害者ぶっている。

さらに巫塔まで持ち出して、まるで我々が巫塔に敵対しているかのように言い立てる。

この巻き毛男、...