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978話

「しかし、善良というのは相対的な形容詞だ。何を善良とするかは、どう定義するかによる。これをどうやって測るのだろうか？」

私が心の中で困惑していると、その老いた声が続けて語りかけた。

「心に敬虔な信仰を持たない者は皆、悪魔だ。強大な力を持つ人王であっても、信仰がなければ、それは人王ではなく人魔となる。証明せよ、お前は人なのか魔なのか？」

何処に潜んでいるのか分からない老人の掠れた声には、計り知れない威厳が滲んでいた。

この者の口調と物言いから、私はおおよその見当をつけた。おそらくこの者こそが巫塔の上層部に当たる人物なのだろう。彼の理論は全く意味不明だった。

信仰のない者は皆悪魔？

これは...