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969話

それは、トカゲ人の王に十分な身体の自由を与え、動き回る機会をもたらした。

明らかに、このトカゲ人はこのような機会を滅多に得られなかったのだろう。

今、突然自由に動けるようになり、こいつの顔には非常に恐ろしい笑みが浮かんでいた。

「ハハハ、小さな虫ケラよ、礼を言わねばならんな。お前が現れなければ、このような遊び時がいつ訪れたか分からなかった。そうだな、お礼と言っては何だが、お前自身の死に方を選ばせてやろう。頭を握り潰されるか、それとも腸を引きちぎられるか?」

このトカゲ人の王が、なんとホンロク人の言葉を話せることに、私は非常に驚いた。

彼の言葉には残忍さの中に、どこか自嘲の色が混じり、どこか...