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954話

「これって本当にまだ竹と呼べるのかしら?」

「巫塔の頂上を目指すだって?」

私たちが入ると、竹塔の第一層にいた中年の男は、私たちの言葉を聞いて、大いに驚いた様子だった。

奴はもともと陶器の杯を手に、ゆっくりと茶を飲んでいたのだが、私の言葉を聞くや否や、椅子から飛び上がり、手に持っていた茶はあたり一面に飛び散ったというのに、まったく気にする様子もない。

「若いの、塔に挑むなんて子供の遊びじゃないんだぞ、冗談で済む話じゃない。よく考えろ、こんなことで戯れれば、天牢行きになるんだからな!」

中年の男は茶杯をテーブルに置くと、極めて厳しい口調でそう言った。

「冗談を言っているわけじゃありません。私は...