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947話

そんな時も、嵐はまだ止むことなく続いていた。

この激しい風雨と怒涛の中、私たちの船は刃の上で踊るように、いつ完全にひっくり返されてもおかしくなかった。

茜と玉城瑶は全身ずぶ濡れになりながらも、必死に船を漕ぎ続けていた。

彼女たちの蒼白い顔と、歯を食いしばって頑張る姿を見ていると、思わず涙がこぼれた。

この瞬間、本当に彼女たちが痛々しく感じたが、私には何もできなかった。

私が邪魔をしないよう、彼女たちはとっくに鉄の鎖で私をしっかりと縛り付けていて、私はまったく身動きが取れなかった。

「戻ろう、このままじゃ、君たちまで俺のせいで死んでしまう。俺を海に投げ捨ててくれ、そうすればすべてが終わるんだ!」...