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922話

その時、大柄の男が真っ先に中へ入っていった。我々も急いで彼の後を追った。

この盗掘用の穴は高い技術で掘られていて、それほど進まないうちに早くも突き当たり、墓室の内部へと潜り込んだ。

見ると、我々がいる場所は通路のようだった。

この通路は人を圧迫するような楕円形をしていたが、中には海藻が少し生えている以外は何もなく、壁画も副葬品の壺や器なども一切見当たらなかった。

ここまで来ると、大柄の男は我々に十分注意するよう言い含めた。

「この通路には罠がたくさんあるんだ。昔、俺たちはここで大勢を失った。特にある種の虫が恐ろしくてな、今思い出しても背筋が凍るよ!」

大柄の男がそう言うと、顔色がわずか...