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894話

瞬く間に、吐き気を催すほどの悪臭が鼻腔に侵入してきた。この臭気には明らかに毒が含まれており、たちまち手足の力が抜けていくのを感じた。

普通の人間ならこれだけで気を失っていただろう。

こんな状態で倒れてしまえば、死は避けられない。

そう思うと、心配と焦りがいっそう募った。

私と玉城瑶は毒素に耐性があるとはいえ、茜はまだ普通の人間なのだ。

それに、この水怪の腸内には酸素があるようだと気づいた。

これは私にとっては朗報だ。素早く自分の酸素ボンベを閉じた。ここに酸素があるなら、私のボンベの酸素は取っておこう。茜の酸素が尽きた時に彼女に渡せるかもしれない。

この瞬間、本当に感慨深かった。なんと厳しい状況...