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843話

「大人、敵軍の統領が西方の通りを占拠し、すでに我々の数十名が討ち取られました……」

一人の衛兵が仮設指揮テントに駆け込み、埃まみれの顔で報告した。

我々の指揮を執る猪将軍はそれを聞くと眉をしかめたが、すぐに視線を私に向けた。

「神使様、私の部下にはあの賊に太刀打ちできる者がおりません。もしよろしければ、あなたが……」

彼は偽りの敬意を込めて私に一礼しながら言った。

疑いもなく、この猪将軍は私にあの尾人と戦わせ、私が神女に選ばれた魔鬼の剣の主としての資格があるかどうかを試そうとしているのだ。

私は心の中で冷笑したが、断ることはしなかった。

常に疑われ続ける感覚は、確かに不愉快だ。どうせ暇だし、私...