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801話

「何も考えてない」

そう言いながら、私は急いで二振りの剣を置いた。

「本当かしら?あなたがそれを手に取った時、何か様子が変わっていたように見えたけど」

小神官は微笑みながら言った。「実は、あなたは知らないかもしれないけど、この二振りの剣、私には見覚えがあるの」

「見覚えがある?」

私は少し戸惑った。彼女は何を言っているのだろう?

見覚えがあるとはどういう意味だ?この二振りの剣に何か由来でもあるのか?

そういえば、小神官も宏鹿の民だ。しかも宏鹿の民の中でも神殿を司る特別な存在だ。彼女は呪いについて何か特別な知識を持っているのだろうか?

「実はね、この二振りの剣は、私たちの部族に伝わる書物によく登...