Read with BonusRead with Bonus

706話

この老いぼれめ、百二十年以上も生きて、そのうち百年近くは権力争いに明け暮れてきたんだろう。俺のような若造が勝てるはずもない、当然の結果だ。

だが、今の状況はそれだけに留まらない、さらに悪化している。

烈山秋は日に日に増える量の薬湯を俺に飲ませ、徐々に体内の呪いが強くなっていく。幻聴や幻覚の症状まで現れ始めた。

しばしば、誰かが耳元で囁いているような声が聞こえるのだが、振り向いても周囲には誰もいない。

その声は低く神秘的で、まるで何か呪文を唱えているようだが、聞いても意味がさっぱり分からない。

それに、一度眠りにつくと、奇妙な夢にまた飲み込まれる。

あの毒蠍に刺された時と同じように、...