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656話

「その者の言うことは、道理があるな。この連山雨という姫は、神殿が王室に対抗するために送り出した重要な駒だ。彼らが彼女をこのまま死なせたくないのは当然だろう」

くそっ、あの所謂神殿の連中が早く来てくれることを祈るだけだ。

すぐに、野蛮人たちが我々の前に現れた。何人かは直接私に向かって斬りかかってきたが、別の兵士たちはあのボロボロの馬車を持ち上げ始めた。

この馬車が彼らにひっくり返されたら、私は完全に露出してしまう。そうなれば、生き残る道はほぼ絶たれる。

そう思うと心の底から奮い立ち、銃を構えて彼らに向かって猛然と撃ちかけた。

幸いなことに、あの呪術師の護衛も近接戦闘の腕前は相当なものだ...