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653話

「こいつら、尻尾が生えているってだけで、人より偉いと思い上がってやがる。俺の銃で、その尾っぽがボロボロになるかどうか、見てやるぜ!」

程なく、私と連山雨は二人で宮殿を出発した。

私に毒を盛った呪術師が、私と連山雨の馭者を務めることになった。もっとも、ここでは鹿車なので、鹿夫と呼ぶ方が適切かもしれない。

この男が私を見る目つきは、並々ならぬ嫉妬に満ちていた。

もともと彼は、私と連山雨姫に接することができても、せいぜい彼女の玩具になれる程度だと思っていたのだろう。ところが今、私と連山雨が親しげに振る舞い、同じ鹿車に乗っているのを見て、その嫉妬心は天を突き破るほどだった。

私はそれを見て、...