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652話

彼女の話を聞いて、少し信じられるような気がしてきた。

もし彼女を連れ出して捕まえたことが知れたら、私も彼女も皇室の者たちに殺されかねない。

だが、案ずるより産むが易し。

今この女を捕まえたことが私の最大の切り札だ。すぐに良い方法が思い浮かんだ。

「捕まっているようには見せずに、何事もないかのように私を城外へ連れ出すんだ」

私は淡々と言った。

「でも、私は今朝狩りから戻ったばかりで、また出かけるのは怪しまれるかも…」

「でもも何もない。今すぐ行くんだ、即刻だ。さもないと容赦しないぞ」

私は冷たく彼女の言葉を遮った。

彼女の言い分にも一理あるが、もう時間の余裕はない。時は金なり、たとえ少しでも疑わ...