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639話

彼女とまた長い時間話し込んだ後、夜がだんだん更けていくのを見て、玉城瑶はようやく名残惜しそうに私の元を去っていった。

彼女が去るのを見届けた後も、私はすぐに立ち去ろうとはせず、茜の天幕の外へと向かった。

やはり彼女にも別れを告げておきたかった。もしかしたら、この別れが冥土の隔てとなるかもしれないのだから。

私が去ることについては、私と玉城瑶はお互い心の中で分かっていた。だが純真な茜はそこまで考えが及ばず、私がずっとここに留まると思い込んでいたのだ。

だから私が訪ねた時、彼女はすでに眠りについていた。

眠っている茜はとても愛らしく、丸くなった子猫のようだった。

長いまつげが呼吸に合わせてかすかに...