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638話

「二人とも眠ってから、私は出ていこう」

心の中でそっと決意した。

だが、そう考えていた矢先、玉城瑶が近づいてきて、相談したいことがあると言い出した。

彼女は特に「大事な話」だと強調したが、その目は水のように優しく潤んでいた。きっと私が立ち去ろうとしていることを察して、少しでも長く話をしたいのだろう。

私はわからないふりをして、彼女と何気ない会話を始めた。

話し込むうちに、彼女の口から多くのことを知ることになった。

やはり予想通り、玉城瑶の呪いは一年前にすでに感染していたのだ。確かにこの謎の島ではなく、ある大砂漠の人跡未踏の地で起きたことだった。

「紅禄人には多くの呼び名があって、砂漠のヘルク族...