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617話

今、私たちの目の前には新しい石の扉がある。その扉には古代の模様が刻まれているが、既に非常に不鮮明になっている。それでも私たちはかろうじて、何かの動作をしている人々の群れのような絵が描かれているのを見分けることができた。

「この壁画は、中に入る前に右腕の真ん中に黒い布を巻けと言っているようです」

玉城瑶が眉をひそめながら言った。

「布を巻く?今どこにそんなものがあるの。面倒くさいわね」

紗子さんが不満げに口をとがらせた。

玉城瑶は少し考えてから言った。「いや、みんな安全策を取るべきよ。ここは元々不気味な場所なんだから、壁画の指示通りにしましょう。黒い布はないけど、黒い服ならあるわ」

玉城...