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609話

そして、雨が降り始めた。

もともと不思議に思っていたんだ。あの石の墓地の中の防腐液が、絶えず蒸発しているのに、なぜ万年もの時を経ても枯渇しなかったのか。

今になってようやく分かった。この地下には完全な水循環システムが存在していたのだ。

自然の神秘さは、まさに想像を超えるとしか言いようがない。

もちろん、これら全てが古代の野人によって人為的に造られたものだとしたら、彼らの建築技術はあまりにも恐るべきものだ。この場所は、間違いなく万里の長城のような建造物と並び、人類史上最も偉大な奇跡の一つとして数えられるだろう。

しかし、話は戻るが、古代の野人は果たして人類と言えるのか、我々と同族なのだろうか。

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