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606話

尾というものは人類の祖先によってとうの昔に捨て去られたものだ。直立歩行の際、尾は何の役にも立たず、むしろ邪魔になるからだ。

人間どころか類人猿にすら尾はない。霊長類の中で尾を持つのは猿類だけなのだ。

「君たちが何を考えているか分かるよ。だがここを見てくれ。断言するが、これは決して猿なんかじゃない！」

山本は私たちの考えを読み取ったようで、慌てて手術用メスを使って死体の体をかき分け、その姿を私たちに見せようとした。

この時、あの山本という野郎は、死体を包んでいた布をほとんど全て取り払ってしまった。

よく見ると、この者の肌は非常に滑らかで、まぶしいほど白い。紗子さんにも負けないほどだ。

くそ...