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601話

「もちろん、中毒していないことをひけらかすわけにはいかない。だから私も他の皆と同じように、苦しそうに息を切らす演技をした」

玉城瑤が私をちらりと見たが、何も言わなかった。ただ、その口元にはかすかな冷笑が浮かんでいた。

さらに小さなスパイの紗子を観察してみたが、彼女には特に変わった様子はなかった。

「おそらくこの女は呪いの存在は知っているものの、具体的な詳細までは把握していないのだろう」

今、玉城瑤は黙っているし、茜が私の正体を暴露するはずもない。

それに気づいた私の心は一瞬で明るくなった。チャンスが来たと感じた。

「今や玉城瑤たちは全員中毒して、状況は芳しくない。一方で私の体は完全...