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583話

最初の一発で彼女の武器を打ち落としただけでなく、残りの弾丸も彼女の腰と足に命中させた。

この女はすでに負傷していたのに、今や傷に傷を重ね、死に近づいている!

彼女が岩陰に隠れたのを見て、私はすぐに立ち上がってそちらへ突進した。彼女を仕留めるつもりだった。

だが、まったく予想もしていなかったことに、数歩も歩かないうちに、冷たい声が突然耳元に響いた。

「武器を捨てて、手を挙げろ!」

振り向くと、漆黒の銃口が私の頭を狙っていた。

銃を構えていたのは、私から百メートルほど離れた場所にいる女だった。暗すぎて顔はよく見えなかったが、なぜかその女の姿に見覚えがあるような気がした。

まさか自分の側からも人が現...