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581話

「それは桜の印だ。

痕の様子から見ると、つけられてからそう経っていないようだ。刃の跡もまだ鋭いままだ。

これは紗子と彼女の仲間が連絡に使う暗号なんじゃないかと思う。

紗子もおそらく似たようなものに気づいて、ここに下りてきたんだろう。

あの女は今、確かに仲間の助けが必要な状況だ。

だが、この印をつけた人物は誰なんだろう?

玉城瑶じゃないのか?

桜は、島国の国花だからな。

もしこの印が本当に玉城瑶がつけたものなら、茜もここにいるということか?

あの時の衝突で、茜は怪我をしていなかっただろうか?

彼女は、あの妄言を吐く祖母を見つけられたのだろうか?」

そう考えながら、私はわずかに足を速め、前方へと...