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502話

彼女の銃は非常に古びており、苔が少し付着していた。どうやら船から見つけ出したものらしい。

それを見て、思わず憂鬱な気分になった。

この女は銃を持っている、俺も持っているが、俺の位置は最悪だ。水に浸かっていて、一切の遮蔽物もない。一方で彼女は船の板を盾にできる。

銃撃戦のゲームをやったことがある人なら分かるだろうが、こんな状況では、俺は彼女の相手にならない。

おまけに、俺の側には困惑と恐怖に包まれた二人の少女がいるのだ。

しばらく考えた末、仕方なく雲児と舒児の手を引いて、ゆっくりとあの救命ボートまで泳ぎ戻った。

今日は、本当にこの幽霊船から逃れられそうにない。

もちろん、この瞬間、船の未知の危険...