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389話

「張起〜張起〜」

その血嘴烏鴉(ちすいうがらす)がまた鳴き始めた。森の上空を旋回している。

私は地面に横たわる怪物の死骸を見下ろした。死んだやつの体は黒い泥だらけで、外見から見ると猫科の動物のようだ。

さっきまでこいつは泥の窪みに潜んでいて、毛皮の色が地面と似ていることに加え、夜の闇もあって、私はまったく気づかなかったのだ。

今も空で旋回して去ろうとしない血嘴烏鴉を見つめる。

何となく分かってきた。この二匹はおそらく何らかの共生関係にあるのだろう。カバとシギチドリという有名なコンビのように。シギチドリはカバの歯を掃除して自らの腹を満たし、カバは進んで口を開けて鳥に歯の間の肉を食べさせ、...