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386話

水が浅かったため、すぐに気づいたのだが、この切り立った崖の上、滝の水幕の後ろに、なんと洞窟があった。

まさに現実の水簾洞というわけだ。

私は迷わず、水の流れに沿って登り始めた。長年水に覆われていたせいで、崖には苔がびっしりと生え、登るのはとても困難だった。身軽な私でさえ、かなりの時間を費やして、ようやく登りきることができた。

水簾洞の横に体を固定したまま、まだ流れる水に衣服を濡らされ、寒気が体を襲い、歯が小刻みに震えた。

じっと奥を見やると、洞窟内部は真っ暗で、ほとんど何も見えなかった。

私は苦労して懐中電灯を取り出し、内部に向けて照らした。

白い光が薄い水流を通り抜け、前方を照らし出す。

す...