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331話

「そうよ、瑶瑶姉さん、早く上がってきて。今夜は星一つ見えないから、絶対雨が降るわ。野外で雨に濡れたら、病気になっちゃうと大変だからね」

茜がそう言いながら、真っ白な小さな手を差し伸べて彼女を引き上げようとした。

陳瑶瑶も私たちの言うことが正しいと分かり、急いで茜の手を掴んで木に登り始めた。

しかし、木に登るとなると、どうしても隠せないものがある。私の目がまた釘付けになってしまった。

陳瑶瑶も明らかにそのことに気づいたようで、頬を真っ赤に染めながらも、表情は冷静を装っていた。だが、彼女がごまかせないのは、手足の動きが慌ただしくなったことだ。さほど高くない木なのに、彼女がよじ登るのにずいぶん時...