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3191話

しかし、洞の入口を囲んでいた人々は、明らかに目の前の状況に喜びを隠せないようだった。

「中に入るのか?」

火猴は焦りを見せていた。

彼らはすでに一人また一人と中へ入っていっている。もし今むやみに近づけば包囲されて命を落とすことを恐れてなければ、火猴はとっくに飛び込んでいただろう。

「焦るな」

私は首を振った。

あの建物の内部がどうなっているのか、どんな危険が潜んでいるのか、まだ何も分からない。

ここのすべてについて、私たちはほとんど知らない。今や私と火猴の二人だけになってしまった私たちには、試行錯誤する余裕などない。無謀な行動は利点より害の方が大きく、あまりにも割に合わない。

「まだ焦る...