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3155話

結局、あの霧のような黒い塊が一体何なのかさえ、まだ解明できていないのだ。

対策を立てるなど、もっての外だろう。

「怖いか?」

火猿が振り返り、震えが止まらない私の手を一瞥して、無理に口角を上げて笑いながら尋ねた。

「怖いよ」

私は正直に答えた。

怖いどころか、今や私の服は冷や汗でびっしょりと濡れていた。

夢の中で見たあの黒い霧を思い出すだけで、心の奥底まで染み渡るような冷たさを否応なく感じる。魂と本能からくるその恐怖は、単純に意志の力だけで抑え込めるものではない。

私の身に宿る呪いが、あの完全に人を無力化させる恐怖感にある程度対抗できるとしても、恐怖がもたらす副作用を完全に消し去ることは...