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3142話

しかし、急に振り返って火猴が見つめる方向を見た瞬間、まるで雷に打たれたような衝撃を受けた。

目の前、一メートルも離れていないところに、棺のような物体が鎮座していた。高さは二メートルを超え、その漆黒の表面には絶えず蒼い光が走っている。

「見てみるか?」

「ああ」

二メートルの高さなど、私たち二人にとっては何の障害にもならない。

しかし、その棺の上に登ってみると、私たちの予想とは少し違っていることに気づいた。目の前のこれは、棺というよりも、むしろ一つの船室のようだった……

「嘘だろ?」

火猴は自分の目を疑うような声で呟いた。

私はガラスドームのような足元の障壁を踏みしめ、前方にあるガラ...