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3070話

戦いが始まった瞬間から、結末は既に決まっていた!

パキッ!

まばたきする間もなく、隊員の一人が森狼に腕を残忍に引きちぎられた。噴き出す血と隊員の恐怖に見開かれた瞳も、狼の暴挙を止めることはできず、むしろ流れ出る血が狼をさらに狂わせていた。

激痛に襲われた隊員は完全に抵抗する力を失っていたが、目の前の森狼は彼が重傷を負ったからといって容赦するつもりはなかった。

飢えた狼の襲撃を前に、彼にできることは成り行きに身を任せるだけだった。

「た、助けてくれ!」

戦況は熾烈を極め、皆が自分の身を守るのに精一杯だった。彼の助けを求める声は、発せられた瞬間に四方から響く銃声に掻き消されてしまった。

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