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3055話

銃にはすでに弾が込められ、私はその銃口を彼のこめかみに押し当てながら、彼がゆっくりと振り向くのを見つめていた。

「同盟軍の者か?」

黒髪に茶色の瞳。一目見ただけでこれが生粋のアジア人だとわかった。そのため、私の警戒心は一瞬だけ緩んでしまった。だが、思いがけないことに、この男も相当の腕利きだった。私の警戒が緩んだその一瞬を逃さず、咄嗟に腰に差していたナイフを抜き、容赦なく私の心臓に突き刺してきたのだ。

ブスッ!

心臓は人間の体で最も重要な器官。たとえ私であっても、心臓を一突きされては気分のいいものではない。

「やるじゃないか……」

だが、私は動揺しなかった。ナイフの先端が少なくとも私...