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3013話

たとえ島の気候が一年中温暖で湿気があるとはいえ、夜になると周囲の海水の温度は下がってしまう。

冷たく骨まで凍えるような海水が、一瞬で私を包み込んだ。私は一刻も休むことなく、海辺のキャンプから離れた岸へと必死に泳いだ。

岸に上がるまで泳ぎ続け、再び密林の中へと潜り込んだ。

焚き火を起こし、身につけていた服を脱いで乾かし、それから少しずつ身支度を整えた。持ち物の小さな品々を確認し、問題がないと確かめてから、ようやく旅を再開した。

今回の目的ははっきりしていた。

キララル。

原住民が語っていた大きな部族の村だ。そこへは必ず行かねばならない。彼の言葉通り、日の出の方角へ向かって進み続けた。

その間、島...