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3003話

走る。

今、俺にできることはただ走ることだけだ。結局のところ、俺は一人じゃないし、原住民たちと死に物狂いで戦う必要もない。

そんな価値はない。

もっとも、状況が本当に俺が奴らと命懸けで戦わなければならないところまで追い詰められたら、奴らを全員倒す自信はある。だが一つ懸念があるとすれば、万が一何か予想外のことが起きて、俺の体が再び制御を失い、あの俺自身も何と言えばいいのか分からない怪物に戻ってしまうことだ……

「隊長……」

猛烈な勢いで走り続ける。さっきから俺が担いでいる隊員が何か言おうとしていたのは聞こえていたが、まったく相手にする気にもならなかった。なぜなら、交渉の唯一の切り札を失った今...