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2996話

「結局、それじゃ進退窮まるハメになりかねない。

そんな結果は望むところじゃない。二度考えた末、やはり先に目的のものを探すことにした……」

辺りを見渡すと、すぐに視線は部族の中で最も大きな小屋に釘付けになった。

同じく粗末ではあるが、その大きさは他の小屋の二倍ほどもある。

唇の端が少し上がり、微笑みを浮かべる。間違いない、あの宴の後、族長のバトーは二人の女を連れてあの小屋に入っていったはずだ……

仮にこの部族の原住民が本当にあの黒い箱を持っているとすれば。

最も可能性が高いのは、族長の手の中だろう。まずは彼の部屋を探すのが間違いない……

再び私は茂みに潜り込んだ。

一周回り込み、最も安全なルート...