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2983話

行動能力?

恐らくその時には、彼が息をするだけでもう精一杯だろう?

今、私は既に一人を背負っている。さらにもう一人の足手まといを抱えることは、私にとっても極めて危険だ。今リスクを冒して彼を救い出したところで、結局は彼の死を先延ばしにするだけだ。

対症療法にすぎない。

「すまない……」

数息の間に考えをまとめた。気持ちは重かったが、それでも私は断固として顔を背け、他の数人がいる方向へと急いだ。

そして倒れた隊員は、私が背を向けた瞬間に。

無数の甲虫に全身を覆い尽くされていった……

「急げ!」

今の状態で他の者たちに聞こえるかどうかも分からなかったが、私は一声叫んだ。

そして足を速め、最前方を行く...