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2979話

「むしろ、洞窟から出たいという私たちの心理を利用して、別の地獄へと送り込んだのだ!」

急に全てが明らかになり、私は背筋が凍りついた。

横目で見ると、あの空き地には雨に打たれた十数体の死体が、冷たく温もりひとつなく横たわっていた。ある意味で、バトゥという原住民の計画は既に成功していたのだ。

争いもなく、血も流れていない。

ただ私たちを誘導し、自らの足で処刑場へ、一生抜け出せないような迷宮へと導いただけだった。

食料もなく、水源もなく、さらには数え切れないほどの昼寝て夜現れる人食い生物と向き合わなければならない。

全てが決まったかのように見えた。

だが私は逆に活気づいた。全てを理解し...