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2973話

何がこんな風に二人の大の男を怯えさせるのだろうか?

「隊長」

その内の一人がようやく勇気を振り絞って、蒼白い顔に無理矢理作った醜い笑みを浮かべた。彼は一歩前に出ると、私の肩を掴み、隣の茂みの奥へと引っ張った。

数歩進み、三人がかりでも抱えきれないほどの大木を回り込むと、視界が開けた。

目の前には空き地、人の手で切り開かれた空き地があった。

その中央には、横たわる死体が無造作に散らばり、燃え尽きた二つの焚き火の跡があった。

「これは……」

一瞬。

私には全てが分かった。

なぜさっきの三十代の二人の男たちがこれほど怯えていたのか。なぜなら、この空き地こそ、我々が以前に切り開いた場所だったからだ。

...