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2968話

「しかし、それだけでは、足りない。」

「クソッ、目を覚ませよ!」自分の体を払いのけると、すぐに別の隊員の襟首を掴んで地面から引き上げた。彼の体についていた甲虫の大半を振り落とした後、その顔に平手打ちを二発お見舞いした。

「うっ……」

少し効果があったようだ。彼はぼんやりと目を開け、力なく言った。「隊長?風邪をひいたみたいで……」

「風邪じゃねぇよ、バカ!」

怒鳴った。「早く動け、さもないとこの虫どもに食われちまうぞ!」

「でも……でも隊長、力が入らなくて、私……疲れて…手が痺れて……」目の前の隊員は言葉も途切れ途切れで、全く元気がない様子だった。

焦りが募る。

そんな時、ふと彼...