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2941話

私はこの隊に見捨てられたのだ。

彼らの目には、今の私は価値のない死体と何ら変わりないだろう。

周囲に降り注いでいた矢の雨も、やがて収まった。

「行くぞ」

洞窟から顔を覗かせる原住民が何人か見えた。奴らが様子を窺っているのは明らかだ。そして、私がまだ生きていると気づけば、必ず止めを刺しに来るだろうことも分かっていた。

考える余裕はない。身体の操作権を取り戻した瞬間、私はすぐさま小隊が退いていった方向へと向かった。

今の状況では。

あの小隊について行くことは、百利あって一害なしだ。

元の道を戻って小隊と合流したとき、私の異変に気づいた者はいなかった。ここにいる全員が極度の消耗を経験...