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2931話

「隊長、彼が!」

すぐさま隊員の一人が前に出て彼を助けようとしたが、隊長に制止された。

「彼から離れろ!早く!」

さすがは規律正しい部隊だ。命令一つで全員が同時にその隊員から距離を取った。もちろん、距離を取りながらも甲板の縁から絶え間なく這い上がってくる不気味な頭部の処理を止めることはなかった。

「た...助けて...」

床に倒れたその隊員は必死に助けを求め続けていたが、その声はどんどん小さくなっていき、露出した皮膚も肉眼でわかるほどの速さでしぼんでいった。

そう、まさにしぼんでいくのだ。

一方で彼の膨れ上がった腹部はどんどん大きくなり、まるで中で何かが孵化しようとしているかのようだった。

「...