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292話

これほど巨大なサソリの姿を前に、その尾針の毒腺がどれほど恐ろしいものか想像するだけで身震いした。一刺しされれば、命が危ないだろう!

私はすぐに萧晴を突き飛ばすようにして避けさせ、バッグから虫除けパウダーを取り出すと、サソリめがけて思い切り振りまいた。

確かに先ほど焚き火を起こした時、女の子たちは既に虫除けを散布していたのだが、これらのサソリはあまりにも大きすぎて、少量の薬剤では全く効果がなかったのだ。

今この状況では、使用量を増やすしかなかった。

案の定、効果は絶大だった。強烈な刺激臭を放つ虫除けパウダーの影響で、サソリたちはすぐに闇の中へと姿を消した。

萧晴たちは虫が逃げ去ったのを...