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2910話

「謝っても意味があるのか?」

「謝罪に意味があると思うなら、それは来世で言うがいい」

明らかに眼鏡の男は殺意を抱いていた。

その姿は、まるで古代の暴君のようで、善悪も白黒も彼の前ではもはや重要ではなかった。今の彼は完全に自分の意のままに、道徳や法律の束縛など気にすることなく振る舞うことができた。

一部の人間が強大すぎる力を手に入れると、こうなってしまうのも致し方ないのだろう。

その感慨は私の心の中でほんの一瞬だけ続いた。すぐに、私は再び目標をあの拳銃へと移した。切断された腕の肩を全力で支えにして押し上げると、右手の指がようやく余熱を帯びた銃身に触れた。

これが安心感というものか。

一瞬のうちに...