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2907話

「もしあの時。」

彼らが自分たちのチームの切り札、大黒柱を失っていたら、残されたこの程度の人数では、おそらく老趙の一団の前で五分と持たなかっただろう。

「リーダー、大丈夫ですか?」

チームの一人が、すぐに背中から箱を降ろし、簡単な医療用品を取り出すと、眼鏡の男に向かって焦りながら駆け寄った。その様子から、彼はチーム内で衛生兵の役割を担っているようだった。

「傷口を押さえていてください。出血が多すぎないように。今すぐ仮縫合して包帯を巻きますから!」

「消えろ!」

だが、中には生まれつき愛想のない者もいるものだ。

衛生兵の救援に対し、眼鏡の男は感謝するどころか、悪態をついた。大きく手を振ると...