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290話

「虫が逃げたわ」萧晴たちは安堵のため息をつき、胸に手を当てながら恐怖の表情を浮かべた。

私は少し考えてから虫除けの粉を手に取り、もう一度周囲に撒き始めた。このサソリは良い警告になった。地下の虫は数が多すぎる上に、異常に大きいものが多い。森の中で使っていた量では明らかに足りないのだ。

虫除け粉を撒き終えると、茜児に萧晴たちの面倒を見るよう頼み、自分は懐中電灯を持って洞窟の奥へと足を踏み入れた。

何か食べ物を探さなければならない。

確かに降りてくる時に少しは食料を持ってきたが、これだけの人数が七日間も地下で生活するには、その程度の食料ではまったく足りない。

キャンプ地を離れてしばらくする...