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2867話

「なるほど!」

私は思わず頷いた。そうか、異能管理局がここに厳重な防御線を敷いているのは、ここに逃げ込んでいる異能者たちを捕らえるためなんだ。

少しでも物音がすれば、奴らは必ず追ってくるはずだ。

わざわざ俺と馮漢の二人が馬鹿みたいに自ら罠に飛び込むように出向く必要なんてあるだろうか?

私は笑みを浮かべながら馮漢の方を見た。出発前に下した決断に心から安堵している。やはり一人増えれば知恵も増える。もしこいつを引き込んでいなかったら、今頃の私はきっと頭のない蠅のように、この広大な新区内をうろついていただろう。

だが、喜びもつかの間、道端に置かれていたセメント缶が、私の目の前で突然宙に浮かび上がった...