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2820話

山の向こう側の木立の中に、髪を振り乱し全身汚れにまみれた男を見つけた。その姿は惨めだったが、身に纏う気配からは殺気が感じられた。

特に、髪の間から覗く、あの目が。

奴は我々の死を望んでいる!

疑う余地もなかった。だが私が何か行動を起こす前に、対岸の男は何もしていないように見えたのに、周囲の大木が突如として真っ二つに折れた。

そして我々に向かって飛んできたのだ!

あの不揃いな断面に衝突したら、たちまち粉々に砕かれるだろう。

「隊長!」

しかし私は少しも動じなかった。私の能力をもってすれば、こんな一本の木が飛んできたところで何の問題もない。

直接突っ込もうとした矢先、バリアから這い出てきた周浩民が...