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2811話

今や張虎は自分の異能を頼りに、私と互角に渡り合えるかもしれない。

だが時間が経てば、彼は一方的に屠られるだけだろう。私は体内のもう一つの意識のおかげで、核爆発の中心地から無傷で歩み出てきたのだ。他の誰であれ、私のようにそれを成し遂げることは絶対に不可能だろう。

「お前、調子に乗りすぎだろ」

私の素っ気ない態度に、張虎は明らかに不愉快そうだった。

しかし、彼のような法を遵守する善良な市民にとって、異能管理局の規則は彼を縛る枠でしかない。

「どっちが上か見てみようじゃないか」

見るも何も。

言葉での脅しなど聞き飽きていた。ましてや張虎のような痛くも痒くもない捨て台詞など。

私は全く気にも留め...