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2797話

太ももで考えてもわかることだが、異能管理局は表面上のように高潔な組織ではない。そうでなければ、逃亡中の異能者たちが、公的機関と対立し、命を落とす危険を冒してまで逃げ回る理由がないはずだ。

「張さん」

女性アシスタントが一歩前に出て、微笑みを浮かべながら私を見つめた。「あなたの国内の記録はすでに完全に抹消されています。異能管理局に加入しなければ、あなたがこれまで組織と敵対していた事実だけで、無国籍者のあなたに一級指名手配が出ることになりますよ」

「そうなれば、あなたと話をする相手は、私たちのように親切ではなくなります」

女性アシスタントの話は次第に変わっていった。

最初の説明と説得から、徐...