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2791話

「少し待っていろ。尋問に来る者がいる」

看守が私の独房に水の入ったコップを置いて去っていった。重たい鉄の扉が閉まる音が響く。

簡素な設備しかない独房の中、壁に取り付けられた鏡で今の自分の姿を確認した。

首に嵌められた金属の首輪の中心部分には緑色の光が灯っている。今のところ、特に何かの影響は感じないが……

試しに爪を変異させようとした。

だがその考えが心に浮かんだ瞬間、両手の掌に見覚えのある痛みが走り、思わず胸に失望感が広がった……

くそっ。

やっぱりダメか!

しかし、それを表に出すことはせず、ただ少し気落ちした様子で壁の隅に座り込み、尋問官の到着を待った。

時間は想像していたよりもずっと長く感...